[副校長] 雑感 2018年5月

雑感 2018年5月
5月は横浜への遠足や保護者会と、たてつづけに行事があった。その中で、子供の成長や子育てについて思った事がいくつかあるので、述べたい。

まず、遠足にて。今回の遠足は横浜。中華街で肉まん・餃子作りを体験し、食後は思い思いのグループに別れてウォーク・ラリーをしながら街を散策し、赤れんが倉庫街に再集合するものだった。普通の学校ならば、班行動のグループ決めや服装・持ち物等について事細かく事前指導をするのだろう。しかし、自由を校風にしている本校では、殆どのクラスが生徒まかせ。当日のバス座席も早い者順である。ただ、自由行動になる前の昼食時だけは学年と所属コースでテーブルを指定し、空いている席を教員で埋めた。

再集合場所でも点呼はとるが、時間までは銘々が教師の近くで談笑している。時間になれば、整列させることもなくバスまで移動し乗車となった。生活指導の厳しい学校や厳格な保護者にとっては、このような風景はとんでもないと、お叱りを受けるかも知れない。

しかし、生徒の屈託のない笑顔や穏やかに行動する姿を見ていると、「それもあり」と思えてくる。生徒達は型にはめずとも、方向性だけ見失わないように導けば自ずと成長出来るのだと思えてくる。教師だけではなく、世の中の大人はもっともっと子供達を信頼してあげて良いのではないだろうかと、改めて実感した1日であった。

そして保護者会。全体会の挨拶で、言葉が詰まってしまった。自分の体調の事もあり、なんとしてもこの時間で自分の思いの丈をはき出したかったのもあったし、前日の生徒達の姿を見て胸が熱くなったのもある。

保護者会では、言葉の力の大切さと子供を信頼してあげて欲しいこと。そして親も子も今抱えている悩みや苦労は、いつか笑い話にしましょうと言うことを伝えた。自分の本意が上手く伝えられたかは定かで無いが、心からそう思い願っている。

人が持っている言葉の力は、子供達を育む力を持つ。言葉の力は、心から発しないと伝わらないし効果はない。子供を本気で愛し、本気で信じよう。見返りなんて期待しない。たとえ直ぐには効果は出なくとも、そうやって伝えつづけた言葉達は、子供達の中に染み込んで、いつか子供の力となるのだから。

長い人生、笑えるのはまだ先かも知れぬ。しかし、笑って終われる人生にはしたいものである。だからこそ親も子も、未来を楽しみに今日を生きたい。

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