[副校長] シュプール

今週の火曜日から2泊3日でスキー・スノーボード実習がおこなわれた。場所は菅平。シーズンスポーツを学びながら、体育実習の単位修得を目指すのが目的である。

参加は希望制なのだが、今年は昨年を上回る人数となった。毎年参加する常連もいる。しかし、中にはどうしても参加して単位をとらないと、卒業や進級が危うい生徒もいるのだ。したがって出発当日は、しぶしぶ家を出た者も少なからずいたはずである。しかし3日間の実習を終え、霞ヶ関駅でバスを降りて来た生徒たちの顔には達成感が溢れていた。昼間はゲレンデでスキーやスノーボードの技術を学び、夜には先生方に勉強を見てもらう生徒もいた。新しい友達が出来た者も。今度は仲間同士や家族で雪山に繰り出す者もいることだろう。

高校生活は、楽な事や楽しい事ばかりでない。時には大きなコブにもぶつかる事もある。だからと言って尻込みしたり、自分の境遇を嘆くばかりでは先に進めない。急斜面だと思ったゲレンデも、練習を積み勇気を出せば、やがて自在に滑走出来るようになるのと同じである。参加した生徒たちが、そのことにまで気づいてくれたのなら、ゲレンデで名誉の傷を負った教頭先生も浮かばれることと思う。

生徒諸君が、日常生活でも自由に動き回れるようになり、素晴らしいシュプールを描けるようになる日が待ち遠しい。

 

2017.2.24  副校長  伊坪 誠

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