[副校長] 6月、初夏の草原にて

『6月、初夏の高原にて』

6月もそろそろ半ば。例年なら既に梅雨入りしている時期であろうに、今日も朝から快晴である。少しだけ強めの風が、6月とは思えぬような爽やかな空気を昇降口から校内に送り込んでいる。今日、3年生の1時間目は体育。本校は3階に室内運動場を備えるが、今日のように天気の良い日は、徒歩数分の河川敷に広がる運動公園でサッカーやソフトボールをしたりする。今朝の陽気は、外での体育授業には絶好だ。

朝のSHR(ショート・ホーム・ルーム)を終えた生徒たちが貴重品を職員室に預け、順次昇降口前に集まりだした。皆、思い思いの体操着。どうやら今日の体育はサッカーのようだ。初夏の日射しの中、生徒たちの笑顔はキラキラと輝き、爽やかな風は外に集まっている若人たちの声を職員室まで優しく運んでくる。

光と風の中で咲く笑顔の輪。まるで夏空に咲く花達のよう。学校と家庭で適切なタイミングに丁寧な教育のシャワーを注げば、子供たちは元気になり、大きく伸びる。そのタイミングを逃さぬように、毎日静かに見守り続けることを、家庭も学校も忘れまい。

本校を選んでくれた生徒たちの笑顔が種となり、家庭や地域にも笑顔が広がって行って欲しい。そう願いながら、彼らの後ろ姿を職員室から暫く眺めた。吹く風は相変わらず心地よい。まるで夏の花が咲く草原にたたずんでいる気分であった。

 

2021.6.9

霞ヶ関高等学校

副校長 伊坪 誠

 

 

 

 

 

前の記事

[副校長] さざなみ

次の記事

[副校長] イタリア娘